[2016年]初心者が後悔しないおすすめのDJ機材の選び方
曲を次々とつなぐ「DJ」に向けて
毎年このエントリを書いていますが、今年もDJ機材の選び方について、DJ歴15年、機材オタクのぼくが書きます。DJ機材の選び方って結構難しいです。いろんなメーカーからいろんな機材が出ていて、自分のジャンルやプレイスタイルによって、適した機材を選ばないといけません。
安い機材では3万、高い機材ではセットで60万だったり価格帯が幅広いのも機材選びを難しくさせる要因。安物買いの銭失いにならないよう、「これさえ買っておけばバッチリでしょ」という機材をアナウンスしたいと思います。
あなたはレコードを擦る人ですか?
このエントリでは、曲を次々と繋いでいくDJスタイルを対象とします。例えばテクノやハウス、EDMはもちろん、アニソンやボカロなんかも対象です。例外となるのは、ターンテーブルに載せたレコードをスクラッチするバトルDJ。これは機材選びが全く異なってくるので、対象外とさせてください。
結論。Pioneer(パイオニア製)を選ぼう。
結論からいうと、まずはメーカーで絞ります。Pioneer製にしぼり、その中から選びましょう。 理由は簡単で、DJ機材のなかで圧倒的なシェアを誇っているからです。
その中でもぶっちぎりでオススメの機材があるのですが、それはちょっと後述して、なんでシェアが大事なんだ、ということを書きます。(機材だけ知りたい人は飛ばしてください。)
なぜシェアが大事なのか?
そんなにシェアなんて大事なの? どれも変わらないんじゃ? と思う人もいそうですが、DJ機材はシェア以外考えなくても良いぐらいです。
なぜなら、DJはクラブに設置されている機材でプレイする からです。クラブに置いてあるのは大抵Pioneer製です。
もうそれが当たり前すぎで、もしもPioneer製じゃないものが置いてあったら、「なんで?」って話になるほど。プロのDJでも「Pioneerじゃないなら出演しない」という人も。
もしもあなたが文書作成マスターになるなら? と考えてみる。
と言っても、いまいちピンと来ないお話だと思うので、例えます。
DJとDJ機材を例えるなら、「一般的なサラリーマンとオフィスソフト」という関係です。ここで「DJすげえ!」じゃなくて、 「サラリーマンすげえ! 自分も文書・表計算・プレゼンをつくれるようになるぞ! ゆくゆくはこれを武器に会社で大活躍だ!」 と思ったとします。
じゃあどうするか? って「Microsoft Office」の操作を学ぶはずです。なぜって、どこの会社も「Office」で業務をしてるからで、 「自分にあったオフィスソフトは何か?」 なんて考えないはず。
別のオフィスソフトをマスターして、企業の面接でアピールしても、「うちはそんなソフト使ってないし……」 と言われるのがオチでしょう。
DJも同じで、「自分に合った機材」なんて深く考える必要が無いんです。業界標準があるから、それに合わせるだけ。
持ち込みをするのは大変だ。
DJはサラリーマンと違って機材を現場に持ち込むことはできるけど、これは割りと大変です。置き場所が無かったり、会場の都合で配線が出来なかったりすることも。限られた時間でいろいろ気にしながら準備するのは大変です。
「DJしてよ!」って言われても、持ち込み機材が置けるスペースがあるのか、前後の出演者の人に迷惑をかけないのかを考えないと行けないし、当日も入り時間にセッティング、撤収時間に機材を取り外さないといけません。前後のDJと交代するときも、大変です。
変な癖をつけないように。
これまで挙げてきたように、Pioneer製がDJの基本的な動きであったり、テクニックであったりになってきます。他のメーカーのものには便利な機能がついてたりもしますが、いざ現場に出てみると
「あの機能が無いとDJできない」「どこにボタンが有るかわからない」「操作感が違って感覚が狂う」とか、そういったことになりがち。
変な癖つけないように、Pioneerのものにしましょう。
予算別にDJ機材を上げていきます。
これを見ている人の懐事情もいろいろだと思うので、予算別で上げていこうと思います。
15万円〜
このあたりの価格だと、もう特に考えずに買ってしまってOKだと思います。機能が削られている価格帯じゃないし、さきほども解説したように、「機材に慣れるしかない世界」だからです。
もうこれ買っとけ、ちょっと無理してでもいいから というのがあるのでそちらを勧めさせてください。
ベストコスパ。とにかくオススメ。「XDJ-RX」
もうこれ買っとけ、としか言い様がないです。クラブに置いてある業界標準をそのままコンパクトにしたもの。CDは読み込めないけど、USBの読み込みでそう困らないかと思います。(楽曲はコンピュータで管理するのが今の主流です。)
拡張性をしっかり確保していて、アナログのターンテーブルもつなげるのがポイント。(安いものだと、ターンテーブルが繋げられない、っていうかそもそも外部機材が繋げられないものも多い)。
これ買っておいて後悔することは、まぁないでしょう。 もうちょっと安いほうが……っていう人もいるでしょうが、ちょっと無理してでも買うことをオススメします。
「CDJ-2000nxs2」「DJM-900nxs2」。お金が有り余っているなら…
あたりまえのように60万円を超えた価格帯ですが、世界最先端のクラブと同じシステムなので、どこのクラブでやっても大丈夫でしょう。(むしろ置いてある機材が下位グレードのもので戸惑うかもしれない)。
お金に余裕がある方はどうぞ、というぐらいなのですが、一点だけ。たまに 「プロのDJになるからいい機材買うぞ!」 っていう話を聞きますが、特に良い機材を持っていても関係ありません。
ぼくの大好きなDJさんは、すごくしょぼい機材でもすばらしいDJをされますし、EDMフェスでプレイしているDJたちは、たいてい当て振りで何もしていないので。おうちで練習するのにここまではいらないかなぁとは思います…。
「CDJ-900nxs」「DJM-850」割と現実的なホームDJセット。
ちょっとさきほどのセットが高いなと感じる大多数の人は、プレイヤーやミキサーのランクを落としてみると手がでるようになります。
このあたりになると頑張って買っちゃいました、という人がぼくの周りにもちらほらいますが、「XDJ-RX」のような一体型には無い大きなメリットがあって、それは「大きいこと」です。
一体型は、こういったDJシステムを一つにくっつけて小さくしたようなレイアウトで、やっぱりどこか小さく感じます。DJシステムを揃えると、クラブに置いてある大きさそのままになるので、非常に感覚がつかみやすいのがポイントでしょうか。
10万円前後
ちょっと高すぎるよ、という方はこのあたりで考えると良いと思います。
「XDJ-AERO」。USBとスマホがつなげて70000円台。
CDは再生できず、レイアウトもちょっと変わっていますが、PioneerのDJシステムのレイアウトを踏襲しています。大きいDJシステムを使う時もちょっとなれたら、問題なく使えるのではと思います。
(個人的に使ったことありますが、ちょっと小さいかな……とは思いましたが、気をつければプレイできるな、という感じです。価格もこなれてきているので良いのでは。)
「XDJ-R1」。拡張性が高い。
さきほどのXDJ-RXより古いモデルですが、CDが再生できるなど、拡張性を備えているのがとても大きなポイントです。でも、これだったらもうちょっとお金足して、XDJ-RX買ったほうがいいのでは? という印象です。
5万円以下。あまりオススメしません。
これぐらいの価格帯になってくるとPioneer製でもさすがに玩具感がでてきて、iPadアプリのコントローラーなんかも増えてきます。それならアプリで遊んでから考えたらいいじゃん、と思うので、とくにオススメするものがありません……。
この価格帯になってくると「とにかくDJをはじめてみたい」というのが第一にあって、特に今後プレイをするなら、パイオニア製が云々……というのもなくなってくるのでは、と思います。
DJソフト、TRAKTORのコントローラーのこちらは、レイアウトは全然違いますが、ソフトウェアならではの機能で、テクニカルなプレイができるのでオススメです。
ソフトウェアコントローラーを選ばなかったわけ。つけるのが面倒。
いまさらですが、他にも機材はたくさんあるし、最後に紹介したTRAKTOR KONTROLのような、PCのDJソフトをコントロールする機材もあります。これはただのコントローラなので、比較的安価なのですが、今回の選定からは外しました。
というのも簡単で、 面倒だからです。DJをするためにわざわざコンピュータを立ち上げて、ソフト立ち上げて……とやるのは面倒だし、ソフトの機能を学ぶのも割と時間がかかるからです。
やっぱり、XDJ-RXが一番いいんじゃないかなと思うし、もっと手軽にやりたいなら、それこそiPhoneアプリでいいんじゃないかな、と思う2016年の機材選びでした。